町の写真屋(長岡支部 髙野会員)
私がいつも利用している町の写真屋さんが「実は年内で商売を辞めます」と寂しそうに私に語った。ここはネット注文を受け付けたり自前で現像機を用意したりと商売熱心なお店だった。しかし、最近は注文枚数が落ちてきて現像液を使い切らないうちに消費期限が来るようになったという。
昔のように必ず写真を撮ったら町の写真屋さんですべて現像すると言うことが無くなった。ネットで注文すれば宅配で届く、そうでなければ自分で印刷する。というより、そもそも印刷などしなく、デジカメで写した写真をパソコンに取り込んで画面で見て終わり。せいぜいCDに焼き付けて、オシャレな写真をCDケースに表紙として貼り付けて終わり、というパターンが増えてきた。写真専用の自宅用プリンターも発売されるまでになってきた。
しかし、これはわかっていたことだ。時代の流れの中で起きるべきことが起きただけ。その変化に対応しようと色々工夫してきたのだが、個人商店では資本力の限界がある。そうなると中小企業のレベルではどうやって生き延びるのか、それは差別化しかない。プロの技を磨いてそれを売る、プロだからできることを売ることだと私は考えている。
この写真屋さんに今後どうするのかと聞いてみたら、今後は出張写真撮影で生活をつないでゆこうと考えているという話だった。
長岡支部 税理士 髙野 裕
http://tmc.nagaoka.niigata.jp/