IFRSが経営に与える影響
IFRS導入による影響は会計の問題だけではなく、経営全般におよびます。IFRS導入により財務諸表の数値が変われば、その企業に対する業績評価も当然影響があります。それにともない、経営や業務内容などへの影響も大きくなります。
IFRS導入により数値が変わる例として、次のものがあります。
日本の基準では、売上は出荷時点で計上していましたが、IFRSでは着荷や検収時に計上しますので、収益計上が遅くなります。その他にも有形固定資産の減価償却費の計上、リースは費用ではなく資産に計上、有価証券は公正価値(時価)評価、連結財務諸表の対象になる子会社の範囲が広がる、企業結合により生じたのれんは償却できないなどがあります。
その結果、業務プロセスやシステムの改善やグループ企業の経営管理にも影響があります。
また、IFRSは原則主義ですので、大きな原則はありますが細かい規則や数値の基準はありません。会計処理のルールを事前に決めておかなければなりません。その説明責任も経営者にあります。