かんしんえつ 2012年2月
今年もまた所得税の確定申告期を迎え、税理士にとって一番忙しい季節になった。京浜東北線を利用するときには、ぜひ税理士会が作成した上戸彩さんのポスターを見ていただきたい。税理士のイメージアップにつながればうれしい。
この時期にしかお会いできない個人事業や不動産をお持ちのお客様には、「お変わりありませんか?」と近況からお聞きする。お子さんやお孫さんの楽しい話ならよいのだが、病気の話が多い。医療費の領収書の枚数には驚くほどだ。日本の健康保険制度はすばらしいと思う一方、医療費の負担のために日本の将来が心配になる。「年金だけでは暮らせない」と言いながらも、年金があると安心だ。
先日、日税連広報部で租税教育の見学のため、愛知教育大学に行ってきた。社会科の先生を目指す大学生と「社会保障と税の一体改革」をテーマにディスカッションをした。それまで10数回にわたる授業の中で研究を積み重ねてきた学生たちは、税についての理解が深く、子どもたちにも税の必要性を伝えていきたいと言っていた。
しかし、今のままの制度では自分たちの世代まで維持することはできないという不安が大きいようだ。医療や年金は自己負担を原則にすること、今の制度を廃止し、将来の保証を示すことができるようになってから再スタートすべきであるという意見もあった。
税の必要性は認めるが、今のままの日本ではいけないとはっきり言える大学生に感動するとともに、私たち大人の果たすべき役割や責任について改めて考えさせられた。
税理士が行う社会貢献の一つが租税教育だが、教えるだけでなく、いっしょに日本の将来を考えていくことも大切だ。